創始者 アイダ・P・ロルフ博士
経 歴
アイダ・ポーリン・ロルフ博士は1896年5月17日にアメリカ、ニューヨーク州で生まれました。
ロックフェラー研究所に勤務する傍ら、1920年にコロンビア大学医学部で生化学の博士号を取得し、その後12年に渡り有機化学及び化学療法部門の研究に従事しました。
1930年代には自身と子息の健康についての答えを探求するため、様々な学びに時間を費やします。ホメオパシー、カイロプラクティック、ヨガ、オステオパシー、アレクサンダーテクニークなどの各種療法を研究するとともに、ウィルヘルム・ライヒの精神分析理論にも強い影響を受けたと伝えられています。
1940年代、これらの探求を経た彼女は人々にワークを施すようになり、自宅には評判を聞きつけた助けを求める人で溢れるようになります。彼女は科学的な視点を重きとしていましたが、他の療法では助けを得られなかった慢性的な障害を持つ人々への施術を通して、多くの答えが直感的にもたらされました。
そして1950年代、現在に伝わるワークの型、伝統、教えである「レシピ」が形作られ、その後の30年を後に「ストラクチュラル・インテグレーション」と名づけた彼女のワークとプラクティショナー（施術者）を養成する教育プログラムを開発し、発展させる事に捧げました。
教育プログラム
アイダ・P・ロルフ博士はこのワークを確立した後、プラクティショナー（施術者）の団体として「Guild for Structural Integration（ギルド・フォー・ストラクチュラル・インテグレーション：（第一次GSI））」を1968年に創設しました。その後、ロルフ研究所（RISI）へ発展して行きましたが、1979年のアイダ・P・ロルフ博士逝去や組織の分離独立を経て、RISI、GSIという二つの教育機関がこのワークを後世に伝えるようになりました。
現在では、この二つの教育機関以外でも、それぞれの団体が大切にする特色を持つこのワークの養成校が複数設立されています。
さらに「Iｎternational Association of Structural Integration（IASI）」が設立され、アイダ・P・ロルフ博士が伝えた「概念、哲学」を継承する団体間の交流活動も行われています。
私が学んだ教育機関：ＧＳＩ
私がプラクティショナー認定を受けた「Guild for Structural Integration（ギルド・フォー・ストラクチュラル・インテグレーション：GSI）」は現在の組織として1989年に設立されました。アイダ・P・ロルフ博士が最初に指名した教師陣が中心となって設立し、指導を行う伝統校でもあります。
特色として、アイダ・P・ロルフ博士が残したこのワークの「伝統、基礎」を忠実に受け継ぎ、育むことを重きとし、当時、クラスで教えられた内容を「手から手へ」伝えることを大切にした教育プログラムにおいてトレーニングを行っています。
私が学んだ先生方
私は大阪で開催されたロルフプラクティショナー養成国際トレーニング（ORT）において、2013年にニール・パワーズ氏、2015年にニルス・シルベイラ氏から指導を受けました。
ニール・パワーズ氏においては、アイダ・Ｐ・ロルフ博士に直接指名された初期の教師の一人で、1971年よりこのワークに携わる長いキャリアのベテラン教師です。
穏やかなお人柄のニール氏から頂いた言葉で印象的だったのは、「Bori（私）の言葉はまるで詩人のようだ。」と表現されたことがありました。私が詩人であるかは別として、今でも心の中で大切にしている言葉です。
そして、ニルス・シルベイラ氏は1980年からこのワークに携わり、母国ブラジルでは二人目のプラクティショナー認定を受けた方で、前述の最初に指名された教師陣と寝食を共にし、この道を歩んだ先生です。
ご自身が捧げた35年のキャリアで得たものの「全て」を惜しげなく与えてくださり、このワークを遂行する上での「哲学」、「愛」、「情熱」、そして、「恩恵」を受ける為のより実践的な助言を頂きました。
パワー溢れる彼女の姿からアイダ・P・ロルフ博士の姿を何度も感じることに。そんな彼女は世界中の多くの方から「ロルフ二世」と慕われ、「愛」を持って人と接し、より大きな「愛」を返してくれる素晴らしい人間性の持ち主です。
ディプロマの一節には「．．．dedicated to the teachings of Dr. Ida P. Rolf」とあり